三章あってショコラがニューハーフのキャバクラの話かな。今ならトランスジェンダーっていうアレ。バブル崩壊から色々あって足繁く通ってたショーパブも見切りを付けたけどある時支度してたクラブのママが飛んだと知人から聞かされて後悔する話で最初はふわふわしてたのに最終的に知人が自殺した話を聞いてから真っ当に生きようとしたのは面白かったね。オチもしっかり付いてたし良かった。
二つ目は外国人パブの子やね。フィリピン人の嫁が金の無心を繰り返すので殴る夫の図が何ともは。フィリピン人の方も日本の文化に馴染めず苦しんでて日本人もフィリピンの文化に馴染めず二人して結婚は失敗だったとする内容で。嫁のマリアがええ奥さんなんだけど夫がとんでもないクズで毎日虐待にレイプで次第に追い詰められて敬虔なクリスチャンだったから自殺も出来ずに結局飯抜きだったようで餓死か縊死だから自殺なんかなやっぱり。臭かったとか何とか言うし挙句知人の若い漁師がある事で自殺したのを見て関係ないマリアに八つ当たりしてて最後も全く報われんというかクズの所業だったわ、清蔵とかいうハゲ。
三つ目は捨て子を拾った風俗ライターの男の話。33歳差でアカネちゃんは13歳の時に父親に捨てられて(小学生の時に風俗嬢だった母親が出奔)たまたま風俗ライターやってたアキラさんに拾われたんだけどバブルが弾けた後大手の広告代理店の参入から失職してしまって色々働き口を探しては辞めての繰り返しだったけどアカネちゃんを風俗嬢にするとかもなければ全うに生きて欲しいと決してセックスを持ちかける事がなかったってのが良かったな。仕事先ではトラブルが多かったんだろうけど家では物凄い優しい父親代わりだったから次第にアカネちゃんが惹かれて行くんだけどある時どうしようもなくなって二人で決めてブルセラを1,2回きりでやったけどそれが原因でストーカーに付きまとわれる事になって事情が事情だから警察に通報も出来ず最終的にアカネちゃんを同伴して男の自宅で毎晩ヤリまくってるという吹聴したらようやく諦めてくれたようで。でもホントは生娘でこれだけの大言壮語を吐いた女に対して何か言う事ないの?みたいな。でアキラさんもアカネちゃんと一緒になろうと思うんだろうけど作中では言及しないままで。アキラさんも境遇がアカネちゃんと殆ど変わらなくて捨て子で施設出身だったから余計憐憫とか同情とかが湧いて引き取ったんだろうけどいや分からんもんやね。そういう意味では両親がクズってか父親がクズなんだけどアカネちゃんは父親を恨んでないってのがね。聡い子だったからこそ真人間として人生謳歌出来たんかなって。
三章中全く救いがなかったのはマリアだけだったな。一章はかつての約束を守るために婆捨て山みたいなアパートから引き取る話で三章はまだ法整備が成ってなかったから未成年の少女と同居が成立したんやろね。マンション下のコンビニの女性店員さんは事情察してた感があったので彼女が女性の性的な部分において色々面倒を見てくれてたんかなと。例えば生理不順とかの面倒ね。あとルッキズムって訳じゃないけど今流行りの美少女とおっさんが同居する話、とにかく多いからね。逆も然りで美少年をおばちゃんが引き取るみたいなのもあるからどっちもどっちやんけなんだけど前者の方が悪目立ちしやすいよね、日本では。何かまるで前者は下心ありきと言わんばかりだけど実際下心があったから本編でもブルセラとかやってた訳だしね。最後の最後まで本人の了承を重視してたから書き手は結構その辺りを丁寧に描写してたように思う。
ともかく面白かったわ。