mouseionのブログ

アニメ感想中心だけど、たまーに色々考察します。

大嶋信頼『催眠ガール』 雑感 中学か高校の頃に読みたかった。

ある一人の中年男性と(催眠)の出会いが夏目ちゃんを変えたって話。
最初は自分を変えたくて催眠療法、いわゆるリーディング(心理学の一つ)をやるんだけど
段々周りを変えて行きたいと思うようになって自然とムーブメントが完成されていって皆の成績がぐんと上がって弱小だった相撲部がいきなり地区優勝を果たしてそれを親友の一人の母親が問題視して退学の危機に見舞われるっていう。実家では両親から事あるごとにいびられるような環境でビクビクして生きて来たけど催眠療法を通じて段々いびられてる事がそうじゃないのでは?と思うようになるって過程が丁寧で面白かった。姉が妹に嫉妬というか羨望の眼差しを向けるのは親の目が妹に行って自分には厳しいからという寂寥感からくるのかなと。しかし徐々にそれが違うものなんじゃないかって思えるようになった夏目ちゃんが凄い人の事を考える余裕が生まれてて凄いなって。
PTA会議で素直な気持ちを率直に師匠を真似てやってみたら全員が催眠に罹ったんじゃなくてこんな子供が大人を納得させられる発言が出来るというのは凄いしそれは教育の一環として使えるんじゃないか、現にそのクラスは成績の平均値がぐんと上がったからと校長を始めもっともらしく説得して味方になってくれだした。つまりリーディングが教育の場でも有効性を示した事で教育者陣を納得させるに十分な効果を示した事になる。それを本や講座とかで学んだ体の夏目ちゃんの言動から理解を示すようになったと。つまり変な宗教だと思われてたけど実際に自己暗示をかける事で授業に熱心に取り組むようになってるし将来への希望を見出し始めたからみたいな、そういう可能性に一つ希望を抱いたのかなと皆賛成ムードになったのかなと。そして亜美ちゃんのお母さんPTA会長が娘が如何に母親を尊敬して大好きであるかを説いたからこそ実は夏目ちゃんの事も心配してたんじゃないか的な勘繰りを入れて逃げ場なくしたよな、あの校長やり手だわ。
そうして退学の沙汰はなくなって夏目ちゃんは今まで避けてた自分の母親と向き合う事を決意するんだな。
その母親に宛てて書いた催眠スクリプト(未完成)をいつも家探しする母親の傾向を考えてあえてノートの中に隠したら案の定読まれてて夏目ちゃんがこれまでに沙知ちゃんや由衣ちゃんにやって見せた催眠を文章だけで感動させて人を変えてしまった。それだけでは別に夏目ちゃんの母親が変わらんかったかもだけど、多分夏目ちゃん、明日香の死んだお兄ちゃんの事を思い出して涙してこれからは明日香を大切にしようっていう風になったのかな。ちょっとこの辺は急変し過ぎてあれ?って思ったけど今までの傾向から変わるんやろなぁという流れが分かってたからその通りになって安堵したね。あれ結局息子を亡くした事とその息子に瓜二つなのに出来が悪くてよく泣く子だったんだろう明日香を見て苦々しく思ってたのかな。それが学校でもイジメに遭ったり暗かったのにある時期から学校が楽しい娘を見て苦々しく想いながらも徐々に不安になって心配になって、なるほど躁鬱状態だったのか。そういう意味ではよく復帰出来たよなと。

総じて全体的に面白かった。大体所要時間3時間半くらいあれば読める。スラスラ読めたな。90点。
作者心理カウンセラーだそうだけど人を読ませる力あるよね。中学か高校くらいの時期に読みたかったな、これ。普通に推薦図書レベル。