デリシャス・フードはフランチャイズ権をオーナーに売る一方で、将来買い戻すという“裏契約”を交わし、資金繰りをしていた。
“含み損”が百億円以上に上ると知った樫村(仲村トオル)は驚愕する。社長の大友(本田博太郎)は憤り、社長を辞任すると言い出す。
誰が次の社長をやるのか…?緊急取締役会で山本(大谷亮平)は前触れもなく突然、樫村に社長就任を依頼する。困った樫村は妻や子供たちに相談するが…。
結城前社長の大失態で抱えたフランチャイズ失敗で得た130億円の負債を何とか返済するべく、CFOからCEOに就任した樫村が財務部員の佐伯や財務部長の岸野や新たに加わった渋川ら部下たちを引き連れて今日もオーナーたちに頭を下げて行く謝罪行脚になった今回、どこから嗅ぎ付けたかオーナー連合軍がデリシャスフード本社に押し掛ける始末。更に金融会社からの7億円の貸付に加えてちとせ銀行からの追加融資の渋りなど問題も多く抱える。かつてのライバルだった宮内がジャパンリンケージに代わる相談役として契約した事で最も利益を回収できるとされる直営店の閉鎖とリストラ断行も十和子フードの岡田十和子社長の言葉が頭によぎって結局リストラも閉鎖もしないと決めてしまった樫村。ますます窮地に追い込まれていく様は企業小説、企業ドラマの宿命なんだろうな。ここから大逆転していく痛快な勧善懲悪展開に今から期待が膨らむ。
ところが、前の社長大友がどうやらちとせ銀行に機密事項をペラペラ漏らしたようで結果、ちとせ銀行から支援を打ち切られるっぽい流れが何とも。大友は無能なだけじゃなくて人間のクズだった。足を引っ張るだけならともかく社長を自分から辞めた癖に130億円の負債抱えてるコンプライアンス事項をペラペラ外部に漏らすとか言語道断ですよ。経営者だったというのが何より恐ろしい。結城元社長もドクズだけど、大友前社長もとんでもないドクズで、山本の人事が如何にデタラメだったか分かって、何かもうきっついね。
130億円はここから不渡りに持って行くのは至難の業だし、経営破綻してる状況からの再建なんて絶対無理だよな。経営者が代わってもどうにもならないのはシャープ元社長高橋興三氏(高橋氏は長年の経営破綻を変えられなかったため無能の誹りを受けたがホンハイ(鴻海精密工業)からの買収案を取り付けた手腕は評価されるべき)を見ても分かるように普通はいくら有能な人が社長になっても現実は変わらないものだから、この半沢直樹じみた本作では現実では上手く行かなくてもドラマの中では完全勝利というゴールを目指して行って欲しいものだ。