求人広告を見て、やってきたのが蔭山元実だった。一目見るなり伯朗は採用を決めた。無論、美人だったからだ。
P.110
獣医師の手島伯朗が毎度女性を見る時まず美人かどうかで決めるっぽい。
黒くて長い髪が瓜実顔によく似合っている。
P.5
百合華は母親に似ず瓜実顔で、目も大きかった。
P.120
また、この獣医が美人を形容する時に必ずと言っていいのか謎だが、“瓜実顔”と表現する。
よく分からないけど多分何らかの常套表現なのかもしれない。
で調べると、昔からある美人を喩える表現の一つだったのが分かった。
正直俄かに信じがたい。
動物実験で猫の脳を電極で弄る義父の姿を子供ながらに見て戦慄を覚えたせいで逆に動物のお医者さんになろうと後に獣医師となった伯朗。東野圭吾って読むの忌避してたけど、本作は中々面白いね。昔読んだ山田悠介のレンタルチルドレンみたいなヤバさがある。人の意志で人や動物を自由に出来るって存外怖い物なんだと感じた。
物語が進むにつれて後天性サヴァン症候群なる突然変異で天才になる障害の話が出てきた。この辺は結構面白かったな。有名人は、まあググれば分かる程度には存在するみたい。
しかし楓がまさかの女性警察官だったとは。この辺りは完全なファンタジー感がある。そして後半の怒涛の展開はまるでライトノベルを読まされてるかのような少年の様なワクワク感を抱くに困らなかった。ああいうのが東野圭吾らしさなんだろうか。拍子抜けだった。いや悪い意味でなく。
影の主役だった楓、そして実は拉致監禁などされてなく初めから唯一の兄貴を楽しむ為に彼の恋のライバルと目された勇磨もまた仕掛け人で。
あと、寛恕の網というサヴァン症候群患者が書いた幻の絵については当然の如く焼失。これはドラマ相棒でもお馴染みの実は燃えてなくなったとか、工場汚染が原因で偶発的に生じたとかそういうケースと同じものだった。この点についてはテンプレ乙だった。
それにしても誰ともくっ付く事もなく終わってしまった。ミニブタの育て方、求ム!