弟子がいっぱしの落語家として成長し、自分の十八番まで伝授したのだから、もう未練はないだろう?という事で助六とみよ吉の出迎え、歓待を受ける八雲。もう死期は一刻の猶予も無い訳だね。普段自らは声掛けしない小夏によろしく頼んだ辺りからもう気持ちは死地に赴いてたのかもしれん。弟子の与太が夜遊びをせず落語好きを宣言してその気持ちの衰えの無い事に気が付き、もう自分がいなくても大丈夫だと、みよ吉たちはそう思ったのかもしれない。いや全ては八雲、菊さんの妄想だけど、いよいよお迎えがやってきたとすると、ほどほど現世から退場しても良い頃だと思い始めた矢先の出来事かもしれん。