mouseionのブログ

アニメ感想中心だけど、たまーに色々考察します。

響け!ユーフォニアム2 総評 京アニは80年代映画の見過ぎ。

とりあえず面白かったけど、若干マリみてぽかった最終回。


南中問題や滝先生の話とそれに絡めた麗奈の葛藤、そしてあすか先輩の退部とその復帰に関わる久美子と彼女を取り巻く環境改善(姉麻美子関係)が比較的スムーズに進んだのは良かったけど、肝心の演奏シーンはカットされた所は演出や尺上の問題としてもちょっとだけ納得がいかなかった。結果全国銅賞だった訳だし。恐らく全演奏がプロによるものだから、プロの演奏で金銀銅のランク分けが多分難しいと思う。だから、結局銅賞だから演奏しなかったと見れてしまうのでそのままで行こうと相成ったと思う他ない。
また、EDでは共にアンサンブル演奏したり(第1期)、一緒に遊ぶ(第2期)葉月と緑輝の二人、特に葉月との絡みが2期になってから極端に減った事も念頭に入れたい。どうも原作では他モブ同様殆ど出番がないそうなので、時折電車でぶら下がったり電車出入口の窓に顔近づけたりという描写はモブ以下にならない為の温情措置かもしれない。京アニはモブにさえ手を抜かないというが、なるほどモブに優しい。葉月はモブじゃないけど。


で本題だけど、あすかと久美子の邂逅と別離のシーンを繰り返すと何だか80年代の映画のワンシーンを見ている気持ちになる。大林宣彦監督作品というか、何となくデジャブがあった。京アニは80年代映画に感化されてると感じた。あの頃の演出に古臭さを感じないのでユーフォを見てても古臭さを覚えなかった。漫画で部屋へおいでよというドラマ化もした作品があったが、あれのラストに近いカタルシスを覚えた。何というか空虚感をおもむろに出して見てその反応を楽しむみたいな感覚が一瞬だけ研ぎ澄まされるんだけど、そう思ったらもう新しい季節がやってきててそんな事考えてられなくなるみたいな感覚。
あの頃の空気を楽しむ事が叶わないのだから、ユーフォに近いものを感じて懐かしさを覚えるのはある意味新鮮かもしれない。



そもそも久美子は序盤から終盤少し手前まで高坂麗奈と百合ってた訳で、それなのに最終回にはちょっと話す位で何の緊張感もない。滝先生の事が終わればもうただの友達でしたという疎外感が否めなくてその辺りに久美子のサイコパスさに嫌気が差す。多分Aパート手前でユーフォの演奏があすかに似て来たと言われたのを見て、久美子はあすかのようなサイコパスになって来たからでないかと邪推する。そもそも彼女の目標はあすかだったから、あすかのマネをした訳じゃないにしろ麗奈以上に毎日くっ付いていれば彼女そのものになっても何ら不思議はないと思う。だからといって、あすか程対人から距離を置いた雰囲気がないのでそれらは後々杞憂になるんだろうが、何にせよ考えるな感じろって表現や描写が多かったと思う。それだけの動作、言動、伏線があったからなんだけど、それを脚本的説明に収めるんじゃなくてあくまで自力で答えに導いてどうぞという姿勢は少し考えるものがあった。


まあ、そういう部分に80年代映画っぽさがあるんだろうなと思う。
というか、邦画だね。何もしなくても撒き餌がある訳じゃなくて自分で何処に問題があったかなかったかを探さなくてはならなかったという部分においては、京アニは随分無責任な描写が多かった様に思う物の、最低限の当然あるべきものをしっかり置いて行ったのでそれを問題なく拾う事ができれば水分見やすくなるだけに、この雑っぽさが如何に面白い配置にあるのかを十分理解していないと中々ユーフォの本質を理解できないのでないか、とこう思う。


とにかくユーフォ2は面白かったと思う。面白くなければ最終回まで見る訳ないんですが。


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どうでもいいけど、原作だと秀一と久美子は結ばれるそうだけど、あすかに感謝して過去を振り返らない!とスカートを翻していつもの練習風景に戻る的なエンドで締め括ってたから秀一とくっ付くかどうかは不明のままだね。京アニ的にはあえて青春の1ページとして切り取っておいて後は想像に任せる的な終え方が多い様な気がするけど、今回も濁したまま終わったなと思うと1期から秀一関連で問題行動とかがあった割には随分ぞんざいな扱いだなと思った。別に綺麗に終わったから良いって言う人もいるだろうけど、あえて言えば、京アニオリジナルエンドは行きすぎるとオナニーにしかならないので伏線的な描写・表現があった場合はしっかり回収して欲しかったなと思う。