mouseionのブログ

アニメ感想中心だけど、たまーに色々考察します。

亜人ちゃんは語りたいにおける障がいの程度と認定等級について。

はじめに

亜人ちゃんは障がいを持つ人という現実の障がい者たちの生活風景をバンパイアなどの架空のキャラクター亜人に焦点を当てて、その風景を描いたものであると思われる。本作は、バリアフリーのアニメ版といったところで、極めてその理解の範囲が制限される作品であり、また、コミカルさの中にも時にはシリアスな日常を組み込む事で現実にある障がい者への差別やレッテル貼りを戒める作品でもある。その意味で、亜人ちゃんは語りたいは業が深いアニメといえる。
亜人ちゃんの障がいの程度を考察する事を通してより亜人ちゃんを楽しみたい、アニオタ一個人の見解を述べていきたいと思う。なお、専門性については、専門家やプロの方などに対して素人の観点から考察する為、稚拙な文章になったり誤字脱字が多くなったりする事もあるが、それは一アニオタの偏った部分なので大目に見て頂けると幸いである。

亜人ちゃんと障がいの関係性について

絶賛放送中の亜人ちゃんは語りたい
何となく亜人福祉課とは、障がい福祉課の事ではとうすうす勘付いてはいたけど、確かに彼女らへの理解というのは障がい者へのそれと全く同じである。
実際、それに関する議論や考察が他所で何度も行われて来ている。


例えば、以下の様な考察。
anond.hatelabo.jp

・首を腕に抱えていなければならない、貧血になりやすいといった点が障害に見える

・陰口を言われている描写が障害者差別に見える

・主人公の生物教師がかたわ萌えのオタクに見える

・KEY原作アニメの系譜だろ

といったもの。何となく理解する。
確かに特に身体障害者によく見られる傾向だと思う。
また亜人ちゃんの登場キャラである雪とかひかりは更に発達障がいの気がある。
特にひかりは家族間でのコミュニケーションがひたすら行われ続けていて、その光景はADHD患者の家族交流の図に酷似しているし、そう見せてる演出も確かにある。


発達障がいは学習障害があり、IQの程度も80未満とやや心許ない。
一教師である高橋先生に対するフレンドリーの度を越えた関係やあだ名を付けて回る所なんかも社交性はあるけど一方通行な肩入れや感情の起伏、波が激しい所などはまさしくそれ。


以下のサイトでは、亜人ちゃんと障がい者の関係性について興味深い考察があった。

www.02320.net

エンディングで印象的なのが、グラデーションを作るように並べられた色とりどりのクレヨンたち。

線画の登場人物に色を添える小道具として描かれてるんですが、この流れで虹色といえばLGBTのレインボーフラッグを想起せずにはいられません。

LGBTのレインボーカラーは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャルトランスジェンダーといった性の多様性を表現しています。その発想が基底にあるなら、「人間の形質は多様で線を引けるようなものではない」と読み替えられるでしょう。

これは相互理解の物語です。見た目や機能の違いを単なる差違と受け止めて、歩み寄っていくためのヒントがたくさん散りばめられてます。


これによると、実際の障害福祉に関する伏線が散りばめられている事を明らかにしつつ、障がい者の在り方について相互理解を深めようとする演出が為されている事を解き明かし、それを亜人ちゃんというキャラ造形に置き代えて考えてみると面白い事が示されている。何気に本作品は障がい者ないし突然変異的に現れる亜人に対する理解の程度が広い事が分かった。アニメではどれだけ多くの人にも分かり易いように萌えヒロインがドジったり勉強する日常風景を交えながら障がいの程度を紹介し、相互理解を求めた啓蒙的作品である事が認められる。

亜人ちゃんの障がいの程度と認定等級に関する考察。

さて、亜人障がい者に置き代えた時、実際にはどの程度の認定になるだろうか。考えてみる。

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まずバンパイア、小鳥遊ひかりについて。
彼女は身体的には何ら異常性が見られないものの、突発的な発作性の吸血衝動を考慮すれば、先に述べた様にADHDの可能性がきわめて高い様に思う。
ADHDは現在その認定や等級について、これにおいてのみの診断では等級を与える事が厳しいため、複数の障がいが認められた場合にのみ認定される。例えば統合失調症とそれ、学習障害や不安障害を伴う広汎性発達障害とそれといった具合である。ひかりはどちらかといえば、忘れ物が多かったり、注意力が散漫する事が多い為、注意欠陥多動性障害の傾向も認められるので、これはまず間違いないといってよい。ただ、ADD(注意欠陥障害)と異なるのは、学校ではそうでもないが、ひかりが家庭内において事あるごとに妹ひまりに対して過剰なスキンシップが見られる事、何事にも落ち着かない態度を取っているなど、多動性が認められる事から、ADHDと断定した次第である。


すなわち小鳥遊ひかりは発達障がい(ADHD)である。従って、彼女の障がいの程度は手帳でいえば3級、併発症状が認められた場合は2級。精神障害福祉手帳の交付が認められるだろう、と推測する。


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次にデュラハン、町京子について。
彼女は、首がない。障害としては身体障害といえるだろう。五体不満足で知られる乙武洋匡氏の“先天性四肢切断”のそれに極めて近いと感じる。
当該障害については以下が詳しい。

vita.yokohama
akachann99.hatenablog.com


実際の所、町京子は、この先天性四肢切断に該当するように思う。現実的にはありえない状態ではあるが、四肢が首がない障がいに転じている点から、これに違いないとここでは断じている。
身体障害者手帳、肢体不自由(上肢)では明らかな欠損があるが、(下肢)に至っては五体満足の状態であるといえるので判定が中々難しい様に思う。現実であれば、上肢機能や移動機能の点において首がなければ行動が制限されるという点があり、これは五体不満足であろう。一方で、首を持ちながらであれば、日常生活には支障をきたしていない側面も見られるため、障がいの程度としては、3級か。または先天性である事が考慮されて2級になる可能性が高い。


いずれにせよ、彼女町京子は、身体障害である。従って、その等級の是非はその時の医師や行政の判断に委ねられ、等級判断はきわめて困難である。


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雪女、日下部雪について。
彼女は、バンパイアやデュラハンの様に目に見える障がいとは必ずしも言い難い。
何故なら彼女は日常生活においては殆ど安定し充実しているからである。
学生生活では、ひかりや京子を始め、クラスメートとも徐々に打ち解け交遊する姿が映し出され、担任の佐藤先生とは大好きなコミックを読み合う仲である。
何ら不自由を感じない彼女ではあるが、ある特殊な障がいを患っている。
雪女の特性上、雪は暑さに極めて弱く、貧血状態を起こす事が多い。
その意味では低血圧症の可能性がある。また、それによるパニック障害や不安障害を抱えているきらいがある。
すなわち彼女は、精神疾患系の障がいを患っている可能性が示唆される。
また、低血圧症については、同時に起立性調節障害に疑いもある。つまり子供に多い障がいの一つだ。
起立性調節障害については、以下が詳しい。

inphs-od.com

雪女という亜人ないし障害の程度は難しく、そしてそれに関する認定は困難ではないかと言われている。というのも起立性調整障害は、いわゆる障害認定を受けない障害であるため、現在も手帳が交付された事がないはずである。
なので、雪が障がい者として認定されるとすれば、パニック障害や不安障害でしか難しいだろうが、ある時期を境にこれらを克服しているきらいがあり、彼女は必ずしも障がい者であるとは言い難い状態であるのは違いないだろう。高機能自閉症適応障害の気はあるかもしれないが。


従って、日下部雪は現時点で障がい者ではない可能性が極めて高いと断定付ける。
なお、適応障害などの障がいがある場合は、その限りではない。適応障害については、以下に解説サイトを置く。

www.mhlw.go.jp


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最後に、サキュバス、新任教師の佐藤早紀絵。
彼女はその特性から男性を誘惑ないし蠱惑する為、そもそも障がいと呼べるかは難しい。心の状態だけで判断するならば、社会不安障害かあるいは、更年期障害になるのだろうか。または、雪の様に、サキュバスゆえに彼女自身が苦しんでしまうため、適応障害であるとかの精神疾患が見受けられる。


一方、サキュバスの特性から極力男性と接触しないなどの日常生活に明らかな支障をきたしているため、障がい認定が為される可能性は非常に高い。現に人の多い所ではその特性上住む事が困難であるし、逆にそれを利用した性犯罪が社会問題になっているという。こうした問題からサキュバス自体が国家的な保護下に置かれているのも頷ける。実際何度も警察の保護観察官と定期的なカウンセリングを行っている。こうした特殊事情から、サキュバスが現実的なそれと異なってその危険性というには語弊があるが、男性を催淫する効果を持つという時点でかなり生活が制限される事などから、障がいというよりは生活保護を受ける可能性の方が高いのではないかと考える。


すなわち佐藤先生は障がい者としては微妙だが、日本の証人保護プログラムを適用した手厚い生活保護が期待されるだろう。
というよりそれが適用される可能性を考える方が早いという結論に至った。警察の監視下に置かれている現状を見ても、果たして彼女は障がい者と同義であるかは判断が難しい所である。

まとめ

以上を以って亜人ちゃんは語りたいにおける障がいの程度について考察してみたが、やはりというか、亜人については未知なる可能性を感じてやまない。
ひかりや京子の様な分かり易い障がい者がいれば、雪や佐藤先生の様な特殊な例もある。その為、障がいの判断がより専門的な所に任せる以外に、個人としての判断に窮する所が多かった事が分かった。その意味では、彼女達を深く理解し考察する事の意義は本考察によってそれなりに深められたのでないかと思う。
次の機会があれば、亜人ちゃんについてもっとより深く突っ込んだ話を論じたいところ。